看護部長挨拶
「専門的知識」に基づいた「看護実践」を「思いやりの心」で提供する
本院は、沖縄県内唯一の大学病院かつ特定機能病院として、高度で質の高い医療の提供と医療人の育成を使命としています。看護部では「知識・技術・思いやりの心」の3つの輪をシンボルマークとし、「専門的知識に基づいた看護実践を思いやりの心で提供する」ことを理念に掲げ、日々進歩する医療に対応した専門性の高い看護実践を目指しています。
昭和59年に那覇市与儀より現西原町へ移転し40年が経ち、令和7年1月には待望の西普天間への移転を控えております。新病院では集中治療室拡大や救急救命センター拡充に取り組むことが予定されており、「高度で質の高い医療の提供」という役割発揮のためには、看護師の高い臨床判断力が求められるものと考えています。
それに向け現任教育としては、シミュレーションによるフィジカルアセスメント研修や重症ケア領域研修の充実を予定しています。特定行為研修修了者の活動推進により看護師による特定行為実践報告件数も増え、タイムリーな看護介入が展開されてきました。特定行為研修でより専門的な知識を深めたことで、高い臨床判断力と実践への自信にもつながっていると考えています。また、専門領域における臨床判断力向上を目的に、領域別院内Expert Nurse認定制度(創傷ケア、ストマケア、摂食嚥下ケア、感染管理、がん看護)へも注力し、現場での専門性発揮を推進
しています。
新人教育体制では、教育担当副師長、新人教育サポーターが中心となり、パートナーシップによるスタッフ全員の新人教育への参画支援や集合研修での学びが現場の実践に活かせるようにOJTを強化しています。2023年度より開始した院内留学研修は、他部署を経験することで経験の幅が広がった、看護実践の根拠について考えるようになったなど、看護の言語化につながったとの報告が挙がっています。大切にしている看護を言語化し伝えることで、互いの成長を促し、看護師としてのやりがい感につなげていきたいと考えています。
目標管理においては2021年度からBSCを取り入れ、看護の可視化の充実を図っています。2023年度は、がん患者だけでなく、非がん患者のつらさにも焦点を当て、つらさの緩和に向けた取り組みを実践しています。また、スキンテアケアの実践や摂食嚥下評価による早期介入など、各リンクナースの活躍によるケアの質向上を感じています。
新興感染症は収まり始めていますが、世界情勢の変化が著しいVUCA(予測が困難な状態)時代であることは変わりありません。そのような時代であっても、最善を考え、柔軟な考えで想像し、できることを行動する、互いを信じ助け合うことで強くしなやかな看護部となると信じ、共に歩んでいきたいと思います。