PNSによる新人教育体制

パートナーシップ・ナーシング・
システム< PNS >

 パートナーシップ・ナーシング・システム(以下、PNS)は、安心・安全な看護の提供方式として福井大学医学部附属病院で開発され、当院でも2013年から全病棟で導入しています。
 看護師が安全で質の高い看護を共に提供することを目的とし、2人の看護師が良きパートナーとして、対等な立場で、互いの特性を活かし、相互に補助し協力し合う看護提供方式です。
 2人の看護師は、毎日の看護ケアをはじめ、委員会活動、病棟内の係りの仕事に至るまで、1年を通じたパートナーとして、その成果と責任を共有します。「責任」と「やりがい」を2人で分かち合う新たな看護方式で、さらに右図のように補完の4重構造をもってサポートする仕組みです。

「補完の4重構造」を示す図。中心から「個人」「パートナー」「グループ」「他のグループ」の順に円が重なり、それぞれが矢印と「補完」というキーワードで相互に支え合う関係を示している。多層的な支援関係の可視化を意図した構造図。

教育サポーター制

  1. PNSにおける新人教育体制

    • PNS体制をもとに新人の指導・教育にスタッフ全員で関わる。
    • スタッフそれぞれが、新人教育サポーターと新人支援の役割を担う。
  2. 新人指導の方法

    • 看護実践を見せて説明を行う
    • 新人と一緒に実践する。
    • 新人1人でさせてみてできている所、できていない所をポジティブに
      フィードバックする。
    • 達成度に応じ、同じ技術でも繰り返し指導する。
    • 達成度を評価する。
    • 新人の学習準備状況を把握し、臨床判断しながら大切にしている
      看護を言語化し指導する。
新人看護師を中心に、複数の支援者が関わるサポート体制を表した図

*新人教育の要である新人教育サポーターは、新人教育サポーター研修や臨床での指導場面を評価してもらいながら、新人看護師と共に成長するために研鑚しています。

一日の流れ

変則二交代制(日勤・長日勤)

日勤(8:00〜16:45)・長日勤(8:00〜21:00)

  • 8:00

    PNSペアで患者情報の共有、管理事項の申し送り、配薬、食事介助

  • 9:00

    バイタルサインの測定、内服の確認、環境整備、処置・ケアの実施、入院患者の案内

  • 11:00

    PNSペア間の業務調整

  • 12:00

    血糖測定、配薬、配膳・下膳、食事介助、口腔ケア

  • 14:00

    カンファレンス、記録

  • 14:30

    リシャッフル(夜勤に向けてのチーム再編成)、記録、手術・検査前オリエンテーション

  • 16:00

    日勤者勤務終了後(16:45まで)における長日勤者(21:00まで)との業務調整

  • 16:45

    日勤終了(8:00-16:45)

  • 18:00

    血糖測定、夕食配膳・下膳、配薬、内服の確認、イブニングケア

  • 20:00

    夜勤者へ引き継ぎ

  • 21:00

    長日勤終了(8:00-21:00)

変則二交代制(夜勤)

夜間(20:00-9:00)

  • 20:00

    管理事項の申し送り、ウォーキングカンファレンス、バイタルサインの測定

  • 21:00

    就寝へのサポート、消灯

  • 22:00

    IN-OUTバランスチェック※1

  • 0:00

    輸液更新、IN-OUTバランスチェック※1

  • 6:00

    IN-OUTバランスチェック、モーニングケア、採血、血糖測定、体重測定、経管栄養準備、内服薬準備※1

  • 7:30

    配薬、食事配膳、食事介助

  • 8:00

    管理事項の申し送り、日勤者へ引き継ぎ

  • 9:00

    夜勤終了

※1 排泄の援助、病室ラウンド、安楽な体位調整、不眠や痛みなどへの対応、患者状態に応じた観察とケアの提供

年間スケジュール

2025年度の新人看護師育成プログラムの年間スケジュール表。月ごとに研修内容が示されており、基礎看護技術評価(3カ月・6カ月・1年)、感染管理、災害訓練、ナラティブ発表会などが含まれる。下部には病棟での動き(オリエンテーション、目標面談、夜勤開始など)と「新人看護師バッジ」が表示されている